【泌尿器科】尿路結石が怖いけれどコーヒーは飲める?泌尿器科医が教えるリスクを抑える飲み方
尿路結石の痛みはのたうち回るほどと言われることがあり、日々の習慣に不安を感じる方も多いはずです。特に、毎日何気なく飲んでいるコーヒーが結石の原因になるのか、あるいは予防になるのかという疑問は、外来でも非常によく聞かれます。
最新の医学的知見に基づき、コーヒーと尿路結石の正しい関係について解説します。
結論:コーヒーは結石のリスクを下げる
意外に思われるかもしれませんが、近年の大規模な研究データでは、コーヒーの摂取は尿路結石のリスクを減少させることが示されています。
かつては、コーヒーに含まれる成分が結石の材料になると懸念されていましたが、現在は適量であれば予防的に働くという見方が主流です。
なぜコーヒーが予防になるのか
最大の理由は、カフェインによる強い利尿作用です。
尿の量が増えることで、結石の元となる成分であるシュウ酸やカルシウムが結晶化する前に体外へ洗い流されます。また、コーヒーに含まれる抗酸化物質が、腎臓の細胞へのダメージを抑え、結晶が付着しにくくする可能性も示唆されています。
注意すべきシュウ酸の落とし穴
コーヒーにはメリットがある一方で、無視できないのがシュウ酸の存在です。
日本人の尿路結石の約8割を占めるシュウ酸カルシウム結石にとって、シュウ酸は天敵です。コーヒーにはこのシュウ酸が含まれているため、飲み方には工夫が必要です。
賢い飲み方のポイント:ミルクを足す
最も効果的な対策は、コーヒーに牛乳や豆乳などのカルシウムを含むものを混ぜることです。
シュウ酸はカルシウムと結びつきやすい性質を持っています。腸の中でカルシウムと結合させてしまえば、便と一緒に排出されるため、尿の中へシュウ酸が排出されるのを防ぐことができます。
医師が推奨する結石を防ぐコーヒー習慣
結石を予防しつつコーヒーを楽しむために、以下の3点を意識しましょう。
• ブラックよりもカフェオレを選ぶ
前述の通り、カルシウムと一緒に摂ることが最大の防御策です。
• 夕方以降の摂取は控える
夜間の頻尿や睡眠の質の低下を招くだけでなく、寝ている間に尿が濃縮され、結石ができやすくなる環境を作ってしまう可能性があります。
• コーヒーを水分補給と考えない
コーヒーには利尿作用があるため、飲んだ以上に水分が体から出てしまうことがあります。コーヒーを飲んだら、それとは別に水もしっかり飲むようにしましょう。
参考文献
1. 日本泌尿器科学会 尿路結石症診療ガイドライン 2023年版
日本の診療指針において、水分摂取の重要性と食事療法の推奨事項がまとめられています。
2. Ferraro PM, et al. 2014 Caffeine intake and the risk of kidney stones.
19万人以上を対象とした大規模な追跡調査で、カフェイン摂取量が多いほど結石リスクが低いことが報告されています。
3. National Kidney Foundation USA
腎臓結石予防におけるシュウ酸管理とカルシウム摂取の重要性について、国際的な知見を提供しています。
泌尿器科医からのアドバイス
コーヒーは決して毒ではありません。むしろ、ミルクを加えて楽しみ、それ以上に水を飲む習慣を身につければ、あなたの強い味方になってくれます。ただし、すでに腎機能に制限がある方や、特定の持病がある方は、かかりつけ医の指示に従ってください。


