【泌尿器科ブログ】その残尿感、花粉症の薬が原因かも。知っておきたい抗コリン作用の注意点
花粉症のシーズンになると、鼻水や目のかゆみだけでなくなぜかトイレが近い、出し切った感じがしないといった尿回りのトラブルに悩む方が少なくありません。
一見、関係なさそうな花粉症と残尿感。しかし、医学的な視点で見ると、これらには関係があることがわかっています。
今回は、花粉症と残尿感の関係性について、専門的な知見に基づき分かりやすく解説します。
なぜ花粉症で残尿感が起きるのか?
花粉症の症状そのものが残尿感を引き起こすわけではありません。実は、花粉症の薬が原因となっているケースが多いのです。
抗ヒスタミン薬の副作用
花粉症治療の主流である抗ヒスタミン薬には、アレルギー反応を抑える一方で、抗コリン作用という働きを持つものがあります。
私たちの体では、アセチルコリンという物質が膀胱の筋肉を収縮させて排尿を促しています。抗コリン作用はこの物質の働きをブロックしてしまうため、以下のような現象が起こります。
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膀胱の収縮力が弱まる
おしっこを押し出す力が足りなくなる。 -
尿道の筋肉が緩みにくくなる
出口が十分に開かない。
その結果、尿が膀胱に残りやすくなり、不快な残尿感や頻尿を引き起こすのです。
特に注意が必要な方
健康な若い方の場合は、薬による影響を自覚しにくいこともありますが、以下に該当する方は特に注意が必要です。
前立腺肥大症のある男性
高齢男性に多い前立腺肥大症の方は、もともと尿道が圧迫されて狭くなっています。
そこに抗コリン作用のある薬が加わると、尿が完全に出なくなる急性尿閉という緊急事態を招く恐れがあります。
頻尿・過活動膀胱の治療中の方
すでに膀胱の薬を飲んでいる場合、花粉症の薬と成分が重なり、副作用が強く出てしまうことがあります。
対策と賢い薬の選び方
鼻水も辛いけれど、トイレの悩みも解決したいという場合、以下のステップを検討してください。
副作用の少ない第2世代を選ぶ
近年の花粉症薬(第2世代抗ヒスタミン薬)は、昔の薬に比べて抗コリン作用が非常に小さく設計されています。
眠くなりにくいと謳われている薬の多くは、尿回りへの影響も比較的少ない傾向にあります。
点鼻薬や点眼薬を併用する
飲み薬だけに頼らず、局所にのみ作用する点鼻薬や点眼薬をメインにすることで、全身への副作用(残尿感など)を抑えることが可能です。
漢方薬という選択肢
小青竜湯などの漢方薬は、抗コリン作用を含まないため、排尿トラブルが心配な方によく処方されます。
医師からのアドバイス
もし花粉症の薬を飲み始めてからおしっこの出が悪い、何度もトイレに行きたくなると感じたら、自己判断で我慢せず、早めに以下の行動をとってください。
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処方医や薬剤師に相談する
排尿に違和感があると伝えるだけで、適切な代替薬を提案してもらえます。 -
市販薬の成分を確認す
市販の鼻炎薬には、抗コリン作用の強い成分が含まれていることが多いため注意が必要です。
【参考文献】
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日本泌尿器科学会「前立腺肥大症診療ガイドライン」:排尿障害を引き起こす薬剤についての記載
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日本アレルギー学会「鼻アレルギー診療ガイドライン」:第2世代抗ヒスタミン薬の副作用特性について
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厚生労働省 e-ヘルスネット「アレルギー性鼻炎の治療」
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PMDA(医薬品医療機器総合機構)添付文書情報


