花粉症が睡眠時無呼吸症候群を悪化させる?放置厳禁なその理由
花粉症のシーズン、日中の鼻水や目のかゆみも辛いですが、実は夜の睡眠に潜むリスクは見逃せません。
結論から言うと、花粉症は睡眠時無呼吸症候群(SAS)を確実に悪化させます。 単なる寝苦しさで済ませてはいけない、医学的な理由と対策をまとめました。
なぜ花粉症が悪化を招くのか?
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に空気の通り道(気道)が塞がる病気ですが、花粉症による鼻詰まりがその最悪の引き金となります。
鼻呼吸から口呼吸への強制シフト
鼻が詰まると、私たちは無意識に口で呼吸をしようとします。しかし、口を開けて寝ると舌の付け根(舌根)が重力で喉の奥に落ち込みやすくなり、物理的に気道を塞いでしまいます。
気道を塞ぐ吸い込む力の増大
詰まった鼻から無理に空気を吸おうとすると、喉の粘膜に強い陰圧(吸い込む力)がかかります。これは、柔らかいストローを指で塞いで吸い込むと、ストローがペシャンと潰れるのと同じ原理です。もともと狭かった気道がさらに閉じやすくなってしまうのです。
放置厳禁な3つの理由
花粉の時期だけ我慢すればいいという考えは禁物です。
心臓・血管への過負荷
無呼吸による低酸素状態は、高血圧や心疾患のリスクを急上昇させます。
CPAP治療の妨げ
すでにSAS治療(CPAP)をしている場合、鼻が詰まると空気が送り込めず、治療が継続できなくなります。
日中の二次災害
睡眠の質が著しく低下し、重度の眠気が車の運転や仕事中の大きな事故につながります。
負のスパイラルを止めるための対策
まずは鼻の通りを確保することが、睡眠の質を守る最短ルートです。
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花粉症の薬を処方してもらう
鼻粘膜の炎症を抑える点鼻薬や内服薬を処方してもらいましょう
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寝室の花粉をシャットアウト
寝る前に空気清浄機をフル稼働させ、寝具は外に干さず、花粉を寝室に持ち込まない工夫をしてください。
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鼻腔拡張テープの活用
物理的に鼻の通りを広げることで、口呼吸への移行を多少和らげることができます。
花粉症の時期にいびきが激しくなったり、日中の異常な眠気を感じたりする場合は、身体が発している危険信号かもしれません。
たかが花粉症と思わず、質の良い睡眠を取り戻すためのケアを始めましょう。

執筆者情報
日本とドイツの医師免許を持つ脳神経外科医
市村 真也(いちむら しんや)
- 医療法人慶真会 横浜フロント脳神経外科・泌尿器科理事長/川崎中央クリニック院長
- 開成高校卒・慶應義塾大学医学部卒
- 脳神経外科専門医・医学博士
- 月9ドラマ「ヤンドク!」脳外科医療指導
- テレビ出演多数
【保有資格・所属学会】
- 日本脳神経外科学会専門医
- 日本脳卒中学会専門医
- 脊椎脊髄外科専門医
- 日本脊髄外科学会認定医
- 日本がん治療認定医
- 日本神経内視鏡学会技術認定医
- 日本医師会認定産業医
- 日本医師会認定健康スポーツ医
- ドイツ医師資格
- ドイツ脳神経外科学会正会員
- ヨーロッパ脳神経外科学会正会員

