【泌尿器科】性交後の風邪症状や体調不良~オーガズム後症候群(POIS)とは~
「射精した後に、まるでインフルエンザにかかったような体調不良に襲われる…。」もしそんな症状に悩んでいるなら、それはメンタルの問題ではなく、POIS(Postorgasmic Illness Syndrome:オーガズム後症候群)という疾患かもしれません。この記事では、まだ一般的には知られていないPOISについて、医学的知見に基づき患者さんの視点に立ってわかりやすく解説します。
1. POISの主な症状:ただの「疲れ」とは違う
POISの最大の特徴は、オーガズム(射精)の直後から数時間以内に始まり、2日から7日間ほど持続する一連の全身症状です。
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インフルエンザ様症状: 発熱、悪寒、筋肉痛、関節痛。
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認知機能の低下: 集中力の欠如、記憶力の低下、言葉がうまく出てこない。
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精神的症状: 強い疲労感、イライラ感、抑うつ気分。
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身体的症状: 鼻水、目のかゆみ、頭痛。
ポイント→多くの患者さんはこれらの症状のため性行為やマスターベーションを意図的に避けるなど、生活の質(QOL)に大きな影響を受けています。
2. なぜ起こる?考えられている原因
残念ながらPOISの正確な原因は完全には解明されていません。しかし、現在の研究では主に以下の2つの説が有力視されています。
① 自己アレルギー説
自分の精液に含まれる成分に対して、体が「異物」と判断してアレルギー反応を起こしているという説です。オランダの精神科医マルセル・ワルディンガー博士(POISの提唱者)の研究により、患者の多くが自分の精液を用いた皮膚プリックテストで陽性反応を示すことが報告されています。
② 神経内分泌・自律神経の乱れ
射精時に放出されるホルモンや神経伝達物質のバランスが急激に崩れ、自律神経系が過剰に反応してしまうという説です。
3. POISの診断と治療の現状
POISは非常に稀な疾患とされており、一般の泌尿器科医でも診断が難しい場合があります。
診断の目安
国際的な診断基準(Waldingerらによる)では、以下の5項目が重視されます。
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射精後、数分〜数時間以内に症状が出る。
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ほぼ毎回(90%以上の確率で)症状が出る。
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症状が2〜7日間続く。
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自然に消退する。
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身体的・精神的に強い苦痛を伴う。
治療法の選択肢
決定的な治療法は確立されていませんが、以下のようなアプローチが試みられています。
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抗ヒスタミン薬: アレルギー反応を抑える。
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ベンゾジアゼピン系薬剤: 直前の服用で神経の過敏を抑える。
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ナイアシン: ヒスタミン減耗作用でアレルギー反応を和らげる。
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非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs): 炎症反応を和らげる。
4. 悩んでいる方へのメッセージ
POISは「恥ずかしい病気」でも「気のせい」でもありません。まずは、泌尿器科専門医に相談することが第一歩です。この疾患の認知度は徐々に高まっており、適切なケアによって症状をコントロールできる可能性があります。
参考文献・リソース
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Waldinger MD, et al. "Postorgasmic illness syndrome (POIS) in 45 Dutch men: clinical characteristics and evidence for an immunogenic pathogenesis (hyposensitization)." The Journal of Sexual Medicine, 2011.
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Abdessater M, et al. "Postorgasmic Illness Syndrome: What Do We Know So Far?" World Journal of Men's Health, 2019.
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International Society for Sexual Medicine (ISSM)


