排尿痛
排尿痛は、主に膀胱炎や尿道炎、前立腺炎などの「細菌感染」が原因で生じます。また、膀胱結石や膀胱腫瘍など他の疾患が隠れていることもあるので適切な検査を受けることが重要です。通常「膀胱炎」のみで発熱を起こすことはありませんが、発熱に加え左右どちらかの腰痛を伴う場合は腎盂腎炎へ波及していることがあるので注意が必要です。腎盂腎炎はまれに重症化することがあり、状態によっては入院が必要になることもあります。

排尿痛を伴う主な疾患
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細菌性膀胱炎
排尿痛に加え頻尿、残尿感を3徴としますが、その他尿混濁や血尿などを伴うことがあります。女性に多く、これは解剖学的に尿道が膣や肛門と近いためです。特に若い女性では性交後や更年期の女性ではホルモンバランスの変化で生じやすくなるので注意が必要です。治療は抗生剤を3-7日程度服用します。また症状を和らげたり再発予防のために漢方を併用することもあります。 - 間質性膀胱炎
女性に多く、細菌とは関係なく膀胱の間質という箇所に炎症を起こして膀胱全体が硬くなってしまう病気です。原因不明であり、泌尿器科専門医でも診断や治療に悩むことがあります。尿がたまってくると膀胱付近に痛みを生じるのが特徴で排尿後に痛みは軽減します。ストレスや飲食物で悪化することもあるので生活習慣の是正も大切と言えます。抗うつ剤や抗ヒスタミン剤、漢方で治療していきますが、手術療法として膀胱水圧拡張術、ハンナ病変凝固術を行うこともあります。 - 放射線性膀胱炎
骨盤内のがん(前立腺、膀胱、子宮、卵巣、直腸など)に対して放射線治療を行った後に膀胱粘膜に炎症を起こして生じます。治療後10年近く経ってから生じることもあるので注意が必要です。まれに難治性の血尿を生じることがあり、止血剤で治らない場合は手術が必要になることもあります。対症療法で経過を見ていきますが、高圧酸素療法も選択肢の一つとなります。 -
性感染症(クラミジア、淋菌など)
男性では排尿痛と尿道からの分泌物を認め、女性では膣分泌物の性状変化や増加を認めます。ただしクラミジアやマイコプラズマなどに起因する場合は無症状のことがあるので注意が必要です。診断は尿や拭い液でのPCR検査を行います。知らないうちにパートナーや他人へ感染させるリスクがあるので心当たりのある方は積極的に検査を受けることを勧めます。 - 前立腺炎
女性の場合は膀胱炎を生じますが、男性で前立腺肥大症や神経因性膀胱がベースにあり排尿機能が低下している方も尿路感染を引き起こしやすくなります。前立腺も尿路とつながっているのでここに細菌が繁殖してしまうと前立腺炎となります。高熱を生じ前立腺も腫大するので排尿障害の悪化をきたし、重症例では入院や尿閉となればカテーテル留置が必要となってしまうケースもあります。 -
膀胱結石・膀胱腫瘍
膀胱内に器質的異常がある場合にも排尿痛を認めます。膀胱結石は排尿障害がベースにある方に多く、小径の場合は自然排石することもありますが大きい場合は手術が必要です。膀胱腫瘍は60代から増加し男性のほうが女性よりも多いです。特に無症候性血尿(症状のない血尿)で見つかることが多いので、血尿を認める場合には積極的に膀胱鏡で精査したほうが良いでしょう。
自分でできる対処法
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水分をしっかり摂る、おしっこを我慢しすぎない
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アルコール・コーヒーや辛いものなど刺激物を控える
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市販薬を試す(一時的に楽になることもありますが、医学的な原因の精査・治療は泌尿器科受診が基本です)

