尿管の病気
尿管に関する病気は、尿の流れを妨げたり、痛みや感染を引き起こす可能性があります。主な尿管の病気には以下のようなものがあります。
1. 尿管結石
尿管内に石ができてしまう病気です。石が尿管を塞ぐと、強い痛みや血尿を引き起こします。
症状
- 腰や側腹部の激しい痛み(疝痛)
- 血尿(尿が赤くなる)
- 頻尿や排尿時の痛み
- 嘔吐や吐き気
原因
- 水分不足
- 塩分やカルシウムの過剰摂取
- 遺伝的要因
治療
- 小さな結石は自然排出(痛み止めや水分摂取で対応)
- 大きな結石は衝撃波破砕術や手術で除去
2. 尿管閉塞
尿管が狭くなり、尿の流れが妨げられる病気です。先天性の場合や、感染症や外傷、手術の影響で発生します。
症状
- 腰痛や側腹部の痛み
- 腎臓の腫れ(水腎症)
- 感染による発熱や悪寒
原因
- 先天的異常
- 結石や腫瘍
- 手術や外傷後の瘢痕形成
治療
- バルーン拡張術やステント留置
- 手術による狭窄部の切除や再建
3. 尿管腫瘍
尿管内に腫瘍ができる病気で、悪性(癌)と良性のものがあります。尿路上皮癌が代表的です。
症状
- 血尿(肉眼的または顕微鏡的)
- 腰痛や側腹部の痛み
- 尿流の停滞による感染症
原因
- 喫煙
- 化学物質(特定の職業暴露)
- 遺伝的要因
治療
- 腫瘍の切除
- 進行がんの場合、腎臓や尿管の摘出(腎尿管摘除術)
4. 尿管逆流(膀胱尿管逆流症)
膀胱に溜まった尿が尿管を逆流する状態。子供に多く、腎臓にダメージを与えることがあります。
症状
- 繰り返す尿路感染症
- 高血圧(腎障害による)
原因
- 先天的異常
- 膀胱機能障害
治療
- 軽症の場合は自然治癒を待つ
- 抗生物質の予防投与
- 重症例では手術
5. 尿管炎
尿管に炎症が起きる状態で、多くは感染症(尿路感染症)の一部として発生します。
症状
- 発熱
- 排尿時の痛みや頻尿
- 腰痛
原因
- 細菌感染(特に大腸菌)
- 尿の停滞や逆流
治療
- 抗生物質
- 原因疾患の治療
- 原因: 細菌感染、結石などによる炎症。
- 症状: 発熱、痛み、頻尿、血尿。
- 治療: 抗生物質、炎症の原因除去。
尿管に問題がある場合、腎臓や膀胱、尿道と合わせてして診断・治療することが重要です。気になる症状がある場合は、泌尿器科を受診してください。