精巣・陰嚢の病気
精巣や陰嚢(陰のう)に関連する病気はさまざまなものがあります。一般的な精巣と陰嚢の病気における原因、症状、治療法について簡単にまとめます。
1. 精巣炎
- 原因: ほとんどがおたふく風邪を引き起こすムンプスウイルスによるもの。
- 症状: 耳下腺の腫れから7日前後で精巣の腫れや痛みが出てくる。
- 治療: 対症療法が主体。7-14日で軽快することが多い。
2. 精巣上体炎(副睾丸炎)
- 原因: 大腸菌などの一般細菌によるものが多いが、性感染症(クラミジア、淋病など)で引き起こすこともある。
- 症状: 精巣上体の腫れや強い痛み、発熱など。
- 治療: 抗生物質や解熱鎮痛薬の使用や冷罨法。
3. 精巣捻転
精索がねじれて血流が阻害される状態です。精巣の腫れや痛みが急に現れ、そのまま経過すると精巣が壊死してしまう場合があります。精巣捻転の場合、緊急手術を必要とします。思春期に起こりやすいですが、その他の年齢でもまれに発生することがあります。
4. 陰嚢水腫
- 原因: 精巣を包む膜に液体がたまることが原因。
- 症状: 陰嚢の腫れ、違和感など。
- 治療: 穿刺吸引で経過を見ることもあるが、再発することが多い。根治治療は手術。
5. 精巣腫瘍(精巣がん)
- 原因: 停留精巣や家族歴、対側の斉唱腫瘍の既往がリスク因子。
- 症状: 精巣の硬いしこりや腫れ、違和感。痛みはない。
- 治療: 腫瘍の種類やステージに応じて、手術、化学療法、放射線療法を行う。
6. 精索静脈瘤
- 原因: 精巣から心臓へ戻る静脈の血流が滞り生じる。
- 症状: 精巣の上部に膨らんだ静脈を触知し、男性不妊の原因になる。痛みを伴うこともある。
- 治療: 疼痛や男性不妊を認める場合は手術。
早期発見と適切な治療は、合併症のリスクを最小限に抑えるために重要です。

