前立腺の病気
前立腺の病気にはさまざまなものがありますが、大きく分けると前立腺肥大症、前立腺炎、前立腺がんの3つが主な疾患です。
1. 前立腺肥大症
加齢に伴い前立腺が腫れてきた状態です。前立腺が肥大すると、前立腺の真ん中を貫いている尿道が圧迫され狭くなることがあります。これにより排尿障害や頻尿、尿意過剰などの症状が引き起こされます。肥大した前立腺は血尿の原因となる場合があります。
症状
- 尿が出にくい（排尿困難）
- 夜間頻尿
- 尿が途切れる
- 残尿感
治療
- 薬物療法：α遮断薬、5α還元酵素阻害薬など
- 手術：経尿道的前立腺切除術（TURP）など
2. 前立腺炎
特徴
前立腺に炎症が起こる状態で、細菌感染によるもの（細菌性）と非細菌性のものがあります。尿路感染症や性感染症が原因となることがあります。若年層でも発症する可能性があります。
症状
- 骨盤や下腹部、陰部の痛み
- 排尿時の痛みや灼熱感
- 頻尿
- 発熱（急性の場合）
治療
- 細菌性の場合：抗生物質治療
- 非細菌性の場合：痛み止めやストレス管理、リハビリ療法
3. 前立腺がん
特徴
前立腺に発生する悪性腫瘍で、特に高齢者に多い疾患です。初期は無症状であることが多く、PSA（前立腺特異抗原）検査で早期発見されることが一般的です。
症状（進行時）
- 排尿困難や頻尿
- 血尿
- 骨への転移による痛み
治療
- 手術：前立腺全摘除術
- 放射線療法：外部照射、密封小線源療法
- ホルモン療法：男性ホルモンを抑制
- 化学療法：進行がんに適用。
前立腺の病気の予防と早期発見
- 定期検診：50歳以上はPSA検査を定期的に受ける
- 生活習慣改善：バランスの良い食事、適度な運動、ストレス管理
- 水分摂取：適切な水分補給を心掛ける
気になる症状がある場合は、早めに泌尿器科を受診することをお勧めします。
