手あせの治療(原発性手掌多汗症)
手掌多汗症とは?
日常生活をする上で、さまざまな困りごとをもたらすほど手のひらから汗が出る症状を「手掌多汗症」といいます。
手掌多汗症は、手のひらにたくさん汗をかき、日常生活に大きく影響を及ぼします。
たくさんの汗が出ますが、汗腺の数、分布、形は人による違いはありません。手のひらは、緊張や集中といった精神活動が交感神経に伝わることで発汗を起こします。
手掌多汗症の発症は、幼少期あるいは思春期頃が多いといわれています。人によってさまざまですが、手のひらにたくさん汗をかき、したたり落ちるほど汗をかくこともあります。昼間に汗をかくことが多いです。
手あせによる生活への影響
手のひらの汗で、日常生活に支障が出てきます。
紙を持ったり、文字を書いたりする時に紙が濡れてしまう。握手をすると相手に不快感を与えてしまうのではないかと心配になる。パソコンやスマートフォンなど、電子機器が壊れてしまうことがあるなど、生活にさまざまな影響が出るといわれています。
汗が出はじめると気になり、それを意識しだすと、さらに汗をかくという悪循環におちいってしまうことがあります。また、治療法があることの認知が広がっていないために、成人になっても職場や日常生活に支障を抱えたまま、汗で困っている方が大勢います。
汗のために周囲の目が気になって、人との接触を避けるようになったり、うつなどを併発したりすることもあり、深刻です。
アポハイドローション
アポハイドローション20%(有効成分:オキシブチニン塩酸塩)は、日本初の保険適用の原発性手掌多汗症治療薬です。エクリン汗腺にあるムスカリン受容体に対して抗コリン作用により発汗を抑制します。保険適応の薬剤です。
アポハイドローションの使い方
1日1回就寝前に、適量を両手掌全体に塗布します。1回の塗布量は、両手掌に対しポンプ5押し分を目安とします。お薬を塗った後は、起床後まで手を洗わないでください。
アポハイドローションの副作用
主な副作用(1~5%未満)として、適用部位皮膚炎、適用部位そう痒感、適用部位湿疹、皮脂欠乏症、口渇が報告されています。