RSウイルスワクチン「アレックスビー」
年齢を問わず感染するRSウィルス
RSウイルスは、2歳までにほぼすべての子どもが感染するとされていますが、その後も生涯にわたって何度も感染と発症を繰り返します。そのため、乳幼児だけでなく、成人、特に高齢者にも影響をおよぼす可能性もあります。
重症化リスクの因子
60歳以上の高齢者、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、心疾患、糖尿病、慢性腎臓病(CKD)などの慢性の基礎疾患がある人や、免疫機能が低下している人は、RSウイルスに感染した場合、重症化して肺炎などを起こすことがあります。
特に60歳以上の高齢者は非常に多くの方がRSウイルス感染症に感染し、高齢者が入院、死亡にいたることも報告されています。
RSウィルス感染症の感染経路
RSウイルス感染症の感染経路は、飛沫感染・接触感染です。
RSウイルスは肺炎を引き起こします
RSウイルスなどのウイルス感染がきっかけで、肺炎などが引き起こされることがあります。
高齢者や基礎疾患のある人では特に注意が必要です。
RSウイルス感染症の治療法
現在、RSウイルス感染症に対する治療薬は乳児において発症を抑えるお薬がありますが、成人においてはRSウイルス感染症に対する特定の治療法はありません。そのため基本的には症状を和らげるための対症療法が行われます。
60歳以上を対象としたRSウイルスワクチン「アレックスビー」
「アレックスビー」(GSK社)はRSウイルス感染症の発症や重症化を抑える目的で開発されたワクチンです。
このワクチンはウイルス表面タンパクの一部を抗原とした組換えワクチンである「組換えサブユニットワクチン」と呼ばれるもので、ウイルスそのものは使用されていません。
海外でまとめられた、60歳以上のデータによると、RSウイルスワクチンの有効性は、
・RSウイルス感染罹患が4分の1〜5分の1になる
・RSウイルス感染による入院が約5分の1なる
・酸素や人工呼吸が必要な重症化が約5分の1になる
RSウイルスワクチン「アレックスビー」の対象者は原則「60歳以上」に推奨されています。
特に下記の患者さんは接種を検討した方がいいとされています。
- 肺気腫(COPD)の方
- 喘息を持っている方
- 心不全がある方
- 脳梗塞・脳出血などの脳疾患がある方
- 糖尿病・慢性腎臓病などの基礎疾患がある方
- 血液疾患や免疫不全・担癌患者など
アレックスビーは1回の投与で29,700円(税込み)となります。