男性更年期障害(LOH症候群)のテストステロン補充療法
男性更年期障害(LOH症候群)とは?
男性更年期障害は医学的にはLOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)と呼ばれます。
女性の更年期が閉経に伴う急激なホルモン低下で起こるのに対し、男性の更年期は、加齢に伴い男性ホルモンが緩やかに低下することで引き起こされます。テストステロンは筋肉や骨の維持、意欲、活力、性機能など、心身の健康に深く関わっているため、これが不足することで全身にさまざまな不調が現れます。
男性更年期障害の主な症状と心身への影響
症状は非常に多岐にわたり、身体面、精神面、性機能面と大きく3つに分類されます。
| 身体の症状 | 筋力低下、疲労感、ほてり(ホットフラッシュ)、発汗、睡眠障害、腰痛や関節痛。 |
|---|---|
| 精神の症状 | 意欲や気力の低下、抑うつ気分、不安感、集中力の低下、イライラ感。 |
| 性機能の症状 | 性欲の減退、勃起力の低下(ED)。 |
特に、漠然とした精神的な不調を訴える患者さんも多く、更年期外来を受診する方の約4割が過去に精神科の受診歴があるという報告もあります。
男性更年期障害の診断方法と検査の内容
AMSスコア(加齢男性症状質問票)などの客観的な問診票を用いて、症状の重症度を評価します。
前立腺がんの可能性がある場合は治療ができないので、前立腺がんの指標となるPSA値の測定も行います。
男性更年期障害を改善する治療方法
テストステロン補充療法(TRT)
不足しているテストステロンを外部から補充する、LOH症候群の最も根本的かつ有効な治療法です。
エナルモンデポー(注射療法)の特徴
テストステロンエナント酸エステルを主成分とする注射剤です。通常、筋肉内に注射することで、一定期間ホルモンを補います。当院では自費診療として治療を行っております。
塗布剤に比べ、体内のホルモン値を確実に上昇させることが期待でき、効果の実感を得やすいのが特徴です。
初診では問診とPSA(前立腺特異抗原)検査を行います。
PSAが高値で前立腺がんを疑う場合はエナルモンデポー注射はできません。
初診料は検査込みで6,600円(税込み)です。
また、総テストステロンや遊離テストステロンの検査をご希望される場合は追加することもできます。
総テストステロン:3,300円
遊離テストステロン:5,500円
PSAの値をチェックした後に、エナルモンデポー注射を開始します。
エナルモンデポー125mg:3,300円(税込み)+再診料3,300円
エナルモンデポー250mg:5,500円(税込み)+再診料3,300円
泌尿器科外来と理事長Dr.市村外来にて診察治療します。完全予約制です。
治療における副作用と注意事項
エナルモンデポーの投与については、副作用のリスクを考慮する必要があります。多血症や肝機能障害、前立腺疾患への影響などが挙げられるため、治療を開始する際は、必ず専門医による事前の診察と定期的な血液検査を受けてください。
専門医への相談と受診の目安
男性更年期障害は、放置すると生活の質が大きく低下するだけでなく、メタボリックシンドロームや骨粗鬆症など他の慢性疾患を誘発するリスクもあります。気になる症状がある場合は、年齢のせいと諦めず、ぜひ一度当院へご相談ください。
参考文献
- 日本小児内分泌学会ほか:男性の性腺機能低下症 ガイドライン 2022.
- 日本泌尿器科学会:日本人成人男子の総テストステロン、遊離テストステロンの基準値の設定(日泌尿会誌 2004).

最終更新日:2026年6月24日


